甘くて切なくて、愛おしくて
「な、なに?」
沢城さんと隣にいたユウキ君がいきなり笑いだした。
最初は小さく、だんだんと大きくなる笑い声に周囲の人達も見つめている。
「な、なんですか!人がせっかく真剣に話をしてるのにっ!」
今、あたし真剣に言ったつもりなのに。笑う所なんて一つもないのに!
沢城さんだけならまだしも..ユウキ君まで..なんで?
「お前今すごい顔してんぞ」
「うんうん」
お腹を抱えながら言われて慌ててバッグに入れてる鏡を取り出す。開けてびっくり。
確かに..汗と涙とで顔がぐしゃぐしゃだ。