甘くて切なくて、愛おしくて



「な、なに?」



沢城さんと隣にいたユウキ君がいきなり笑いだした。

最初は小さく、だんだんと大きくなる笑い声に周囲の人達も見つめている。


「な、なんですか!人がせっかく真剣に話をしてるのにっ!」


今、あたし真剣に言ったつもりなのに。笑う所なんて一つもないのに!


沢城さんだけならまだしも..ユウキ君まで..なんで?


「お前今すごい顔してんぞ」


「うんうん」


お腹を抱えながら言われて慌ててバッグに入れてる鏡を取り出す。開けてびっくり。

確かに..汗と涙とで顔がぐしゃぐしゃだ。

< 92 / 268 >

この作品をシェア

pagetop