甘くて切なくて、愛おしくて
「な、酷い顔だろ?」
「でももともと、だよね父さん」
ちょっと、この親子はなんつう会話を人の前でしてんのよっ!
「ちょ..」
言いかけたその時、ぽんっとまた手が頭の上に乗った。
ユウキ君を掴んでいた手はいつの間にかしっかりと繋がれていて。
せっかく怒ろうとしたのに。怒鳴るつもりだったのに。
「ありがとう」
「ありがとな」
二人の声に、あたしは何も言えなくなってしまった。