100日愛 [短]
……何だ?
薫に限ってこんなことは滅多にないのに、注意されても直さないなんて…。
頭に浮かび始める不可思議な点。
突き止めたいと思い、席を立った。
その瞬間……
ガタガタッ…!!
「っ…かっ、薫、トイレ行ってくる!」
薫も慌てて席を飛び離れ、パタパタとトイレに入ってしまった。
一人取り残されたように、おかしな格好で止まる夾。
「…か…おる…?」
小さく呼んでも返事なんか来るはずがなく、しーんと静まり返る部屋。
さっきの手を繋いだときといい、今といい、何かを隠しているようにしか思えない。
「まぁ…いいか」
今日だけは許してやろう。と、夾は戻りまたオムライスを食べはじめる。
少し立って出てきた薫の顔色は良くなくて、夾は席を立つ。
同じように驚いて、思わず後ずさる薫に、少しばかり傷つきながらも、なんとか薫の細い腕を掴んだ。
そして、ギュッと抱きしめる。
「もう何も聞かねぇよ。さっきは無理矢理問いだそうとしてゴメン。…薫のしたいようにすればいいからな」