100日愛 [短]
何だ……??
目覚ましを持ち上げ、顔をしかめる夾。
夢……タイムスリップも、とっくに終わった。
それなのに、いつもとは何かが違う。
まだ終わっていない…。
薫の存在が、身体から消えていない。
約100日前のあの頃と同じような…安心感が抜けない。
おかしい。
どうしてこんなにも、違和感が…?
その瞬間――――
ジリリリリ…ッ!!!
「おわっ?!」
持っていた目覚まし時計が震え出した。
「なっ…何でだよ…っ」
止めたはずのアラーム。
スムーズモードにしていたとしても、現に今の今まで鳴らなかった。
ジリリリリリーッ!
不可解なものを感じ、背中に冷や汗が伝う。
とにかく、止めよう…。
夾がベッドの上に落とした時計を拾い上げた、その時だった。
フッ……――――
「……えっ…?」
ジリ……ッ……。
時計の震えが、止まった。