八重歯のあの子
目も大きくて、唇もプルプルしてる。

メイクも完璧。

「ありがと、そんなこと言われたの初めて」

私は、髪の毛を触りながら微笑んだ。

「みんな言ってるじゃん。

 さっきからこそこそと」

「え、それだったの?こそこそしてるのって」

「それ以外何があるのよ」

「・・・色々」

「それ以外無いでしょ。

 まあ、よろしくね、海景」

「よろしく、えり」


その途端、担任と思われる教師が入って席についてください と静かに言った。

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