八重歯のあの子
ベッドの中でもぞもぞとしている物体を叩き起こす。

そして思い切り布団をはいだ。

「うひゃ!寒いよ、姉ちゃん!」

小3の弟の祐二(ゆうじ)は、迷惑そうな顔をする。

「あんた、今日彼女と遊ぶんでしょ」

私はため息をつきながら言う。

それには、祐二は赤面する。

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