八重歯のあの子
すると、突然むくりと起き上がった。


目をこすっている。


そんな姿にクスリと笑う。


「・・・あ、ねえ。

 入学式まだだよね?」

いきなり話しかけられて少しドキッとする。


「・・・え、うん」

「さっき俺のこと見てた?」

「見てないよ」

私は平静を装った。

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