八重歯のあの子

「伊東さん」


「あ、はい!」

声のする方を向いてみると宮崎だった。


「どーする?応援」

「あー、そうだね、どうしようか」

目を見て話せない。

私はわざと目をそらした。

「物の応援でいいんじゃない?」

宮崎は机に座った。

「ミサンガ・・・、とか?」

適当に案を出す。

「ああ、いいね、それ。

 被服室から糸持ってくるから放課後残って?」

「え、作るの?」

「それしかないでしょー」

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