涙の理由を、君は知らない
「あれ、コーヒー飲めたんだ?」
コーヒーを持って席へ戻ると、彼がそんなことを言う。
「いつも飲んでるじゃん」
「あー、そーいやそうだったわ」
なんて、相変わらずどうでもいい会話で盛り上がれる私たち。
そのあとの話題はやっぱり試験の話に。
私は試験の結果があまり芳しくなくて、彼の方もダメだったと聞いていたが、詳しく聞くと、私と彼の『ダメだった』には雲泥の差があった。
平均点が8割近い学校に通っていたら、彼くらい取れていてもダメらしい。
いや、彼もその平均と同じか、それより少し上くらいなのだけれど。
目指してるレベルが高すぎる。
一応くくりは同じ進学校なのに、こんなに隔たりがあるものかと、ちょっと寂しくなった。
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