涙の理由を、君は知らない

「名古屋だったら味噌カツいっぱい食べれるね!」

「……来るなよ?」


ちょっと厳しく彼が言う。
……やっぱりダメですか。


『まあ前期で絶対受かるけどね』と彼は言う。

私も、貴方なら大丈夫な気がします。


というか、やっぱり、どっちにしろ、離れちゃうんですよね。


勿論覚悟していたけど、現実を改めて突き付けられる度、胸が苦しくなる。


それでも笑顔を取り繕って、そのあとは、なんてことのない雑談をしていた。


しばらく話をしていると、彼が私の後ろを見て手を振った。


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