ネコ彼。(完)
―――…
「……ラブ・バイト、ってやつかな」
「へ?」
ラブ・バイト…?
「無性にみちるに噛みつきたくなるんだよな」
「!?」
なにそれ!?
哲平はにやっと笑った。
私はというと、突然の哲平の言葉に、驚きを隠せない。
か、噛みつくって…なんか…
そんな私の心を読むように、哲平は口を開く。
「……ラブ・バイトは、ネコの愛情表現。ネコはご主人様のことが好きで好きでたまんない時、噛みついちゃうんだって。……オレと同じ。」
哲平はそう、私の耳元で甘く囁き、私の耳をカプッと噛んだ。
「―――っ!?」
「覚悟しとけよ?」
その哲平の行動と言葉に、私が叫んだのは言うまでもない…。