ネコ彼。(完)
「あ…ご、ごめんね?」
私たちの様子を眺めていた男子に謝る。
「――いや?おもしろいもの見れたし。へぇ~意外だね」
男子はニヤニヤと私を見る。
うっ…。
ていうか、『意外』って何?
気になる…。
……いや、スルーしよう。
私は何事もなかったかのように、にっこりと笑い、視線を講義ノートに落として指差す。
「――これ、だったよね?これは…」
さっさと説明してしまって、ここから逃げ出そう。
うん、それがいい。
そして、哲平を探さなきゃ。