ネコ彼。(完)
――講義室を後に、外に出る。
今日はいい天気。
散歩日和だな~。
さ、哲平は…と。
きっと、こういう日は…お気に入りのあの場所にいるはず。
私はまっすぐ、日当たりのいい場所にあるベンチに向かう。
――いたいた。
日向ぼっこ中の哲平。
ほんと、ネコみたい。
天に顔を向け、気持ちよさそうな顔で目を閉じている。
無防備な姿がすっごいかわいいけど…人目があるとこでは見せないで欲しい。
いつ襲われるか気が気じゃないし。
哲平は、結構モテるらしい。
女の子が寄ってきても、気まぐれさゆえ、すぐ離れていくみたいだけど。
そういう哲平の媚びないとこ、好きだったりする。
……そこに惹かれたし。
そんな哲平が幸運にも私の傍にいてくれるようになって。
まさか、あんなに甘えたさんとは想像もしてなかったけど、私だけに見せてくれてるって思うと、やっぱり嬉しい。