新撰組蝶乱




「もてないぞ、じゃねェてめェの、てめェのせいだろがああああ!!」




怒りを露にした土方の咆哮が終わると、蝶は耳を押さえていた手を離し懐を探って、1枚の白い封筒をとりだした。




「?」




「松平公からじゃ。」




まだ警戒態勢の土方の前に行き、差し出す。




「あ、大丈夫。爆弾はついてない。」




「…たりめェだ。」




朗らかに言う蝶に、じとっと一喝してからその場で封をきる。




「なんだ…『新撰組局長近藤勇殿』。」




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