新撰組蝶乱
土方、である。
『てめェら…』
別名、鬼の副長。
その名の通りの人物の呼びかけに、隊士全員が凍りついた。
『局長法度を忘れたかァ?まさかな。会議中の私語は切腹だぜ…なァ?』
落ち着いた言葉の中に、静かに殺気を溜めているのが蝶にもわかった。
『トシ!落ち着け。』
少し厳しめの声で、近藤が諌める。
『お前らも悪いが、トシ、咆哮は不知火くんの詳細のあとだ。』
近藤の言葉に、土方はちらりとだけ蝶をみて取り直すように咳ばらいをした。
近藤が続ける。
『まあ、そういうことなんだ。不知火くんの仕事は主に我々に影響しない。一週間後からは共に町にでて活動する予定だ。言っておくが、頓所内女人禁制は消えてないぞ。不知火くんは例外と受け取るように!』