私を変えた人・・・
「それでは、今から文化祭の出し物を決めたいと思います。
何か意見がある人はいますか?」
委員長、神崎が学級会を仕切る。
「はーい、喫茶店がやりたいでーす。」
「ただの喫茶店じゃなくて、メイド喫茶みたいなのもやってみたいです。」
女子を中心に各々やりたいものを提案する
―数分後―
「多数決の結果、執事&メイド喫茶に決まりました。」
スッーっと嫌な汗が垂れる。
「衣装を用意できる人はいますか?」
シ~ン・・・
いやいや、そんな人いるわけな・・・
「はい、私が用意しますわ!」
いるのかよ!!
「では、衣装は天王寺さんにお任せします。」
天王寺 真紀。
かなりの自信家で、私はちょっとニガテ。
「次に、装飾を担当してくれる人」
次々に役割が決定していく。
皆、こういうのが好きなのね~。
ん?
待って、もしかして私・・・
メイド役・・・?
うっそ―――――――!!
「執事&メイド喫茶・・・メイド・・・」
「ん?どうしたんだ、惺來?」
授業が終了し、何やらブツブツ言っている惺來
「いや、別に・・・」
「あぁ!わかった!!お前、喫茶店の事で
『私、メイド役なんてやったことないし、どうしよう!』
とか思ったんだろ?」
「う゛・・・」
図星をつかれ、思わずうなり声をあげてしまった。
しょ、しょうがないじゃない!
メイドなんてやったことないし・・・
皆の前で大恥かく可能性大だし!!
ぷくぅっと頬を膨らましていると
ポンッと隼人に肩を叩かれた
「大丈夫!何かあったら、俺が助けてやるよ!!」
と、自信満々に言う。
「う、ん、ありがと・・・」
惺來の顔がうっすら赤くなる。
内心ちょっぴり嬉しいくせに、それを悟られたくなくて・・・
少しふてくされたような顔をして、次の授業の準備を始めた