私を変えた人・・・

「それでは、今から文化祭の出し物を決めたいと思います。

何か意見がある人はいますか?」



委員長、神崎が学級会を仕切る。



「はーい、喫茶店がやりたいでーす。」



「ただの喫茶店じゃなくて、メイド喫茶みたいなのもやってみたいです。」



女子を中心に各々やりたいものを提案する



―数分後―

「多数決の結果、執事&メイド喫茶に決まりました。」



スッーっと嫌な汗が垂れる。



「衣装を用意できる人はいますか?」



シ~ン・・・



いやいや、そんな人いるわけな・・・



「はい、私が用意しますわ!」



いるのかよ!!



「では、衣装は天王寺さんにお任せします。」



天王寺 真紀。
かなりの自信家で、私はちょっとニガテ。



「次に、装飾を担当してくれる人」



次々に役割が決定していく。



皆、こういうのが好きなのね~。



ん?



待って、もしかして私・・・




メイド役・・・?




うっそ―――――――!!














「執事&メイド喫茶・・・メイド・・・」



「ん?どうしたんだ、惺來?」



授業が終了し、何やらブツブツ言っている惺來



「いや、別に・・・」



「あぁ!わかった!!お前、喫茶店の事で


『私、メイド役なんてやったことないし、どうしよう!』


とか思ったんだろ?」



「う゛・・・」



図星をつかれ、思わずうなり声をあげてしまった。



しょ、しょうがないじゃない!



メイドなんてやったことないし・・・



皆の前で大恥かく可能性大だし!!



ぷくぅっと頬を膨らましていると



ポンッと隼人に肩を叩かれた



「大丈夫!何かあったら、俺が助けてやるよ!!」



と、自信満々に言う。



「う、ん、ありがと・・・」



惺來の顔がうっすら赤くなる。



内心ちょっぴり嬉しいくせに、それを悟られたくなくて・・・



少しふてくされたような顔をして、次の授業の準備を始めた
< 52 / 77 >

この作品をシェア

pagetop