この場所で。





ドクンドクンと


心臓の音が大きくなっていく。



「今日も遅刻かよ」


「まぁね」



普通に会話する二人を直視することができなかった。


早く去りたい。

なのに昨日のことがフラッシュバックして、恐怖で足がすくむ。












「おい、本当に大丈夫か?顔色が悪いぞ」


雅人の優しい言葉に顔を上げると、

微かに笑う、"直樹"の顔。














ドクン、ドクン……





なんで私は今日、学校に来たんだろう。


会わないとも限らないのに……………




………行かないと親がうるさいから?


友達を心配させたくないから?






ううん、違う。








昨日のことなんて全部悪い夢で、いつも通り過ごしていたらなかったことになるって


期待したんだ…………。










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