この場所で。
『莉緒
またココで会おうね』
パッと目を開けると、見慣れた天井があった。
辺りを見回してみると、まぎれもない私の部屋。
髪が少し濡れていて、服をちゃんと着替えていた。
「……お風呂……入ったんだっけ」
それにしても、嫌な夢をみた。
思い出したくもない、あいつとの情事。
「……いやだ…………」
早く忘れたくて、携帯でもいじって気を紛らわせようと手に取ると、
5件の着信履歴があった。
夏奈子とエリが、心配してなのか交互に2件ずつ。
そしてもう1つのは雅人からだった。
メールを送ろうとボタンを押し始めた時、電話がかかってきて思わず出てしまった。