この場所で。
「………付き合ってるわけ、ないよな。そんなそぶり見せなかったもんな。
……じゃあ、なんで風邪で休んでるはずなのに、あそこにいた?」
クラクラするのは、きっと熱のせいじゃない。
雅人にバレるのが怖くて、必死に言い訳を考えてるのに言葉が出ない焦り。
多分、心配をしてくれてるんだろうけど、
でもそれは、今の私には恐怖でしかない。
「………まぁ、言いたくないんならいいよ。
送るけど、動けるか?」
そう言って、ポンポンと頭を撫でる雅人は、すごく優しい顔してた。
……ごめんね、雅人。