この場所で。
次の日も結局熱は下がらず、むしろ風邪が悪化してしまった。
昨日のように学校までどころか、歩くのは家の中でもやっとの状態。
お母さんは昼過ぎまでいてくれたけど、仕事が忙しいみたいでさっき出掛けた。
なにかあったら電話しなさい、って言ってたけど、電話する気力もない……。
私は一人で布団の中でボーッとしていた。
気づけばもう夕方。
飯島直樹は、雅人にバラすだろうか……。
熱でぼんやりする意識の中で、そのことばかり考えていた。
その時、
玄関の鍵が開く音が聞こえた。