この場所で。
なのに、俺は………。
「雅人といる時、顔も見ないようにしてた。
だから、あの時……
準備室で会ったときも、最初は誰だかわからなかった。
けど、思い出した時、
すごくショックだった………」
ズキンズキンと胸が痛む。
莉緒はもっと痛いんだろうな……。
「………なかったことになんてできない………
ハンカチ貸してくれた時のこと思い出すとまだ好きだけど、
もう元になんて戻れないよ………。
…………怖い……」
そりゃそうだよな。
「ごめん………」
俺にはもう謝ることしかできない。
なにを言ったって修復はできないだろうし、俺の話だって信じてもらえているのかどうか。
そっか、
なにもしなければよかったんだな………。