この場所で。
俺が莉緒の声を間違えるわけがない。
ちゃんと学校に来ている。
心の傷はどうかわからないけど、俺に触れた。
話しかけもした………。
もう俺が怖くないの………?
今日は部活の時間もここにいた。
いつから来るようになったのかはわからないけど、放課後の美術室には莉緒の声が聞こえた。
楽しそうに笑っている。
でもその中には雅人の声はないようだ。
俺を避けているのか、教室や廊下で会っても見向きもしない。
なんでもう俺を責めないんだろうか?
許したわけじゃないんだろ?
あんなことした。
自分の欲望のままに。
傷つけた。
………やっぱりなにも思っちゃいないわけじゃないよな……。
莉緒も………。