Quiet man
「・・あんな男でも頭を

下げてくれる

友達がいたなんてな。」


「うん・・。」



それが終わったあと、

俺達は隣の女に礼を云う為に

ケーキを買って彼女の

部屋を訪れ様としていた。



「?」



空耳か? 

今、女の艶かしい声が微かに

聞こえた様な。



「! 」

「ん? どうしたん?」

「アレ・・。」



換気扇を指差し、

ナギに耳を澄ます様

ジェスチャーをして見せる。



「ん~、パパぁ、

ダメだったらぁ・・。」



「 「 !!  」 」



思わず手で口を塞いでるナギと

顔を見合わせた。



( 同じ、間取りな筈じゃ・・。)



人のフリ見て・・と言うヤツだ。


2人してそおっと部屋に

戻ったのは云うまでもない。


ついさっき澄ました顔でここを

出て行った男がネクタイ緩めて・・



「・・・。」


ダメだ、

これ以上はとても・・キツイ。


だいたい、想像した男の顔に

モザイクを入れるなんて


失礼だぞ、俺。




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