Quiet man
体を気遣い、

イスに座っていた新婦が

にっこり笑って会釈をしてくる。



「うふふ。ごめんなさい、

皆ゴーインで。どうぞ遠慮なく

楽しんで行って下さいね。」


「有難うございます。

今・・何ヶ月ですか?」


「五ヶ月に入ったとこなの。」


「・・・触っても?」

「ハイ、是非。」




ナギは恐る恐る触れて見る。

そして

優しく摩りながら云うのだ。




「元気なエエ子が・・

生まれて来ます様に。」


「有難う・・。」

「あ・・!」



何故か

感極まって笑い泣きの花嫁。


ここまで来るのに・・きっと

いろいろあったに違いない。


その肩を摩り、宥めるナギが

困った様にコッチ見て笑ってる。

そして、

慌てて駆け寄ってくる新郎・・。


うーん・・・、何かドラマだ。


そう云えばさっき誰か、

下手糞なギターを弾いていたな。


そりゃヒドイもんだったが・・。





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