Quiet man
喉が____________


あたしは

喉の渇きを覚え

夜中に目を覚ましていた。


「・・・。」


服も着替えないで

いつの間にベッドに

潜り込んだのだろう。


そして隣には

ちゃんと神足さんが寝てる。

夢を見てる気分だった。


彼を起さない様に、

こっそりベッドを抜け出して

カウンターに置いてあった

飲み掛けの生温い

ペットボトルの水を口に含む。


「ッ、」


暗闇の中、

また何処かに足をぶつけた。

目が慣れて来ると

テーブルの上の煙草が目に入る。


空腹を感じながら

それを1本拝借した。


彼は何か食べただろうか?

火を着けて吸い込み、

ふと思う。


( シャワー浴びよ・・ )


小汗もかいたし、

何より飲み過ぎている。

これ以上、

目を腫らしては

シャレにならないのだ。

不味く感じた煙草を

灰皿に押し付けて立ち上がると

慎重に歩いて行った。


(そーっと・・・)


バスルームのドアを閉める。

熱い位のシャワーを浴びて

倦怠感が和らいでくのを感じた。


次第に、ぽっかり空いた

記憶のない時間がある事に

気が着いたそう云えば

神足がいつ帰って来たのかも

自分は知らないのだ。


「 ! 」


シャワールームから出てると

灯りが付いているのに

少し動揺した。


彼が起きているとすれば、

何を云われるんだろう。


"別れよう"って・・云われる

かもしれない。あたしが

何時までもバカだから。


有り得ない話ではなかった。

あんなにも

彼を怒らせてしまったのだから。


半分覚悟を決めてバスローブを

纏い新しい眼帯を着け、

そこから静かに出て行った。






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