Quiet man
「ん・・・解った。

・・先に・・寝てて。」



彼に笑って云い、

邪魔されないように

精一杯の強がりな言葉で

クギを刺す。



あたしは慌てずバルコニーへ。

ベッドでは

泣きたくなかったからだ。



「そこから入って来んといて。

もういいから・・。」



こちらを覗く気配を感じ、

振り向かずにそう云った。

理由も慰めも要らないからだ。



「ナギ・・。」



とうとう彼が

あたしの背後に立った。

神足さんの戸惑いの溜息を

直ぐ近くで聞く。



「何が解った・・?」

「・・・嫌われたこと。」


「最後まで聞いて。」



「何処が・・

嫌いなんだってことを?」


「 違う。」



何を考えてるんだか、

彼は後から両手を回してきた。


あたしは腹さえ立って

腕の解こうと抵抗する。


余計、残酷だとは思わないのか。

そんな風にするなんて。



「ナギ・・・!」

「いや、何すんの、やめ・・!」



何で・・

無理やりキスなんかするのか。

混乱していた

そして、もう刃向かえない程、

あたしは弱ってしまっていた・・。





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