Quiet man
「おー、すげーじゃん。

警備が常に居て

オマケにWオートロック?」


「うーん・・。」



隣のハルミさんが

シュークリーム持参で

遊びに来ていた。実は彼女、

あたしが受けた嫌がらせの

後片付けを一緒に手伝ってくれ、

かなり心配している様だった。



「なによ? 乗り気じゃナサゲ?」



分譲マンションのパンフレットを

手に彼女が片眉を吊り上げてる。


昨日、

神足さんに連れて行かれるまま

新居とやらを見に行ってきた。

彼は引越しする気マンマンらしい。




「つーか・・このままだと

あたし、

前の旦那と同じパターンで・・

何時の間にか結婚式当日を

迎えていそうな気が。」


「どこまで呑気なんだアンタ。

何時の間にか、って!」


「なんやろ・・

この実感のなさは。」




女って単純なんかなー・・、

例えば、結納までは行かんに

してもこう・・。


形として

なんか実感が欲しいんかな?

一般的にそれは指輪であったり?



ちょっと想像してみた。

指におっきい指輪がはまってる所。



「なに、指なんか見てんのよ。」

「シー・・・・、想像中。」



・・・・。





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