Quiet man
「母さんに面倒掛ける事は

一切ないから、お構いなく。」



神足さん・・、

どうしたんやろ?

だいたいの目安は

ついてるのに。

それに・・

なんかお母さんにスゴイ

攻撃的にも見えるんやけど。


気のせいかな・・・。



「まさか、彼女の仕事の

都合とかじゃないわよね?

もう辞めるんでしょ?

ホステスなんか。」


「母さん!」



アー・・そっか。

入って来た時と違う声音で

何やら彼と話していたのは


"嫁の職業"だったんだ。


だから彼は

母親を遠ざけ様としてるのか。


きっとホステスに息子1人

取られるのがイヤなんや。

そら、フツウ

"誑かして"と思うんかな。


でも正直なところ、

あたしだってトヤカク

云われるのは嫌やった。

そりゃ、

いつかは辞めやなアカン

のは十分解ってるんやし。


だいたいナニよ、その

"ホステスなんか"って。


幾ら温厚(?)で

優しい(たぶん)あたしでもさー。

悪いケドちょっとカチンときた。



「少しぐらい、あたしも

"お礼奉公"しないと。

水商売にも

仁義ぐらいありますから。」



あ。

どうしょう。

彼の母上ったら

めっさ恐い顔してるし。

云うんやなかった?


えーい、うんと

ニコニコしといたろ。






・・ちょっと神足さん?

後向いて肩揺らしてないで

オカシイ時はちゃんと

笑いましょーよ?



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