Quiet man
「若い時から米軍基地に出入り

して歌ってたから、女にも不自

由しなかったんだって・・。」


「へー・・・。」



つまり何?

彼のエッチはアメリカ人仕込み

だって云いたいの?



「昔から良くモテてて、喧嘩する

と女は他にもいるから出てけって

云われた時は・・ショックでね。」


「・・・・そう。」



彼女が左に腕時計をはめている

理由が解った。

手首の躊躇い傷を含む

一閃の傷を隠す為らしい。


今は寧ろ、

あたしにそれをチラつかせて

反応を楽しんでいる様だ。



「今でも・・スキなんや。」


「!」


いくら仕事取りたいからって

こう云う職種で

別れた男と、別の女の前に

現れたりできる?

別れても友達やってるなら

それも解るけどさ・・。




「あたしも・・神足さんが好き。

もう丸まンま・・、

だから何を聞いても

この"スキ"だけは止められへん。

ゴメンやけど・・堪忍してな?」


「・・・・!」


「あっ、牧さん?」



荷物を掻き集め、慌てて

逃げる様に・・帰ってしまった。


大丈夫やんな・・?






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