Quiet man
no matter
ザー・・・・・・



「・・・・・・。」



前から気になっとってん、

この公園。


大きい土管が三つあって。

そう、

ドラえもんの空き地みたいな。


どっかの子犬みたいに

中で雨宿りしてみたいなーって

思っててん・・ふふ。


実際、狭いし快適ちゃうなぁ。

小さい願いだけ・・叶った。

しかも、こんな形で。



「ふ・・・、」



中でしゃがみ込んで・・泣いて、

あたしは今、

どんな犬に見えるんやろか・・。



「なんで・・牧さんなん?」



前・カノってとこが

傷つくよなぁ・・。


しかも、2人で買いに行った

おニューのソファの上でやて。


神足さん、

どんだけ無神経なんよ・・。

ちょっとヒドいんちゃうん・・。



「・・・冷た!」



ぴちゃん、ぴちゃんと雨漏り。


頭皮に水滴が伝ってどんどん

濡れていく・・ええねん。

肺炎でもなんでもなったるもん。






ガラガラガラガラガラガラガラ






「「 ・・・・。」」




凄い音が止まったなと思ったら

そのコは目の前に居た。


傘もささんと、コマの着いた

カバンを手にあたしを覗き込む。

旅行の帰り?



バチッと目が合って彼女が

手を差し伸べたかと思うと、




「オイで、オイで♪」




____ へっ!?






あたし、マジで

犬に見えてるんやろか・・?



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