Quiet man
「相変わらず、お気楽に
生きてるみたいだな。
新地の次は銀座だって?」
イタリアン・レストランの
窓際の席に落ち着くと口に
水を含み、
彼は早速ドクを吐いた。
「・・・一回目に"ドえらい"
失敗したから男を見る目を
養おうと思って。文句ある?」
そんな彼女の言葉に
嘲笑をもらしメニューをチラリ
とだけ見る。ウェイターと目を
合わすと呼び寄せ
彼が指定したのはワインだけだ。
「あとは
今日のオススメを二つ頼む。」
注文の仕方も同じ、
私には訊ねもしない。
昔はこの強引さに
負けて好きになった。
後に、如何に自分が
世間知らずだったか、
思い知らされたものだ。
「話ってなに?」
「戻って来い。」
「復縁? 朝子とお腹の子は
どうする心算?」
「慰謝料と
養育費で話を着ける。」
呆れてものも言えない。
和祇は顔を顰めて
ただ首を横に振った。
「母が他界した、
跡取り云々はもういい。
ナギ・・不妊治療の相談をして
いたそうだな。なぜ・・
俺に相談しなかった?」
「・・・・!」
思いもよらぬ質問に彼女の
顔色が見る見る変わっていく。
息を詰まらせているのを
隠せずに水を一口喉へ流した。
生きてるみたいだな。
新地の次は銀座だって?」
イタリアン・レストランの
窓際の席に落ち着くと口に
水を含み、
彼は早速ドクを吐いた。
「・・・一回目に"ドえらい"
失敗したから男を見る目を
養おうと思って。文句ある?」
そんな彼女の言葉に
嘲笑をもらしメニューをチラリ
とだけ見る。ウェイターと目を
合わすと呼び寄せ
彼が指定したのはワインだけだ。
「あとは
今日のオススメを二つ頼む。」
注文の仕方も同じ、
私には訊ねもしない。
昔はこの強引さに
負けて好きになった。
後に、如何に自分が
世間知らずだったか、
思い知らされたものだ。
「話ってなに?」
「戻って来い。」
「復縁? 朝子とお腹の子は
どうする心算?」
「慰謝料と
養育費で話を着ける。」
呆れてものも言えない。
和祇は顔を顰めて
ただ首を横に振った。
「母が他界した、
跡取り云々はもういい。
ナギ・・不妊治療の相談をして
いたそうだな。なぜ・・
俺に相談しなかった?」
「・・・・!」
思いもよらぬ質問に彼女の
顔色が見る見る変わっていく。
息を詰まらせているのを
隠せずに水を一口喉へ流した。