Quiet man
会いたいと思わなければ

会わなくて済むし、

後は・・

なるように成るんだろう。


思えば

小野原和祇と

出会ってからまだ数日だ。

認めたくはないが、

かすり傷程度の痛みで

済んだじゃないか。


だが、

そうクールになろうと

している反面、体の中の

"燻り"も無視できなかった。



( もしも、ナギまで女の子を

身篭ったら・・ヤツはどうする

つもりなんだろう? )



ふと、あの時のメールの

やりとりを思い出した。





____ お子さんは? ____

____  いいえ 


子供は生んでいません ___




神足の脳裏に

あの言葉の意味が浮かぶ。



考え過ぎだろうか・・。




(大体、何で俺こんな・・

え? 俺・・?)



そう・・、やっと気が付いた。



ぼんやりとした赤が

燻りの暗い陰に

妖しく浮かび上がっている。



それが隠しようもないぐらい、

彼の中で大きくなっていたのだ。







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