Quiet man
___ああ、とうとう乗ったな。
新幹線なんて何時振りやろ?
あたしは
荷物を上げながら実感する。
席に座ると真っピンクの
新しい携帯電話を取り出し、
電源を切った。
見渡せば平日やと云うのに
結構な込み具合。
それにちょっとアタシ、
場違いかも。
チャラチャラと"エゴイスト"
着て座ってる女はあたしぐらい。
完全なる普段着やし!
周りは
定番なスーツ着た人ばっか・・ん。
待て待て。
服装で云うなら、いるいる。
ドン・○西の店で買った様な服・・、
いや、多分そうに違いない。
その男は目の前に居た。
物憂げに・・窓の外を見つめてる。
そう、隣。
あたしの隣には先に、
地味なんだか
派手なんだか解らん男が座ってる。
髪は茶色で
ホスト崩れみたいなカンジ。
知り合いのホストの方が
まだ愛想ある。
横顔を見る限り、
トンがった感じの
近寄りニクそーなタイプ。