Quiet man
翌日の出番前、

ママと2人でアイスティーを

飲んでいるひと時。



「あれはセックスと言うより

ファ××ね。欲望のままにって

・・カンジだった。」


「んまー、暫くとんと

聞かないわね、ファ××なんて。

呼んでくれたら代わったのに。」


「はぁぁ? 」



ママの、私も若い時は・・

なんて話を

ちょっと恐れた和祇だった。


あのシャワー・ルームでの・・

後から少し考えさせられていた。



何で私が惚れられるのはいつも、

"俺サマ"的な男なんだろうと。



「ナギちゃんが男の

征服欲を煽り、

掻き立てるよーな、

タイプなんじゃないのぅ?」




ヒトゴトだよ、この人は・・。


ママが笑って言うには、

女がその男の性癖を変える事も

あるそうな。



「ん? ちょっと、セーヘキって! 

だいぶ違うんちゃうんっ!?」


「真剣に考えなさんな、

ただの嫉妬だってば♪」


「それも困るわ」

「へいへい。さー、仕事仕事。」



大概、こんな日はノリが悪い。

エンジンが掛かり切らない感じ。


私事を顔に出してはいけない。

そう思って一日をやり過ごさねば。



「ナギコさんご指名入りましたー」

「はーい。」



ナンだよ、ピン(1人で)?

スーツ姿で・・自腹切るか・・エ。



「こんばんわ、ナギコですぅー。」



気の抜けていく

ソーダ水の様な挨拶。

目の前で

両側に女をはべらす悪徳医師。


"よ!" 手はシュタっ。

職場にまで

来るってどーゆーつもり??




「往診の帰りだ。」

「ぬかせ、ヘンタイ医師。」


「お前とお医者さんごっこを

した覚えは・・・ないな。」


「他ではあるんやな?

ハレンチ医師。」


< 95 / 254 >

この作品をシェア

pagetop