王子の魂 ―ワタシの想い―
「・・・どうすればいいんだ?」

リュウは不安げに呟く。

私とリュウは一端落ち着こうと、部屋の真ん中にある小さくて低い丸いテーブルに向かい合って座った。
座った、といっても物に触れないリュウは床から2センチほど離れたところに浮いていた。

「幽体離脱・・・ってどういうもんなの?」

リュウは上目遣いで私を見る。
私よりも長いまつげが揺れていた。

私は手元にあったケータイを手に取り、ネットを開いた。

「自分で言ったけど・・・、幽体離脱って・・・、マジで何?
映画ぐらいでしか見たことないんだけど・・・。」

リュウはそんなことを一人でに呟いていた。

私はケータイのネット機能を使い、「幽体離脱」について調べることにした。
「幽体離脱」と入力し、検索する。

「お、なになに?」

リュウが私の方へ回り込み、ケータイを覗き込んだ。

リュウの顔が接近し、私の心臓は大きく跳ねる。
おそらく、魂だからそんなものは無いのだろうけど、頬に吐息が吹き付けている気がした。

私は、高鳴る気持ちを誤魔化そうとケータイの画面に集中した。
「幽体離脱」の検索結果は、あまり当てになるものが無く、期待外れだった。

「あ、この動画見たい。」

ふと、リュウがそう言ったので私は動画をクリックした。

どうやら何かの映画の「幽体離脱」のシーンらしい。

私とリュウは黙って画面を見つめた。
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