王子の魂 ―ワタシの想い―
―「本当に」―
私の部屋に来たリュウはやっぱりテレビの時とは違くて

言葉遣いや
性格や
表情・・・

これが「本当」のリュウなんだって思ったら、

余計に好きになりました・・・





その日の夜、私のケータイから「CROWN」の曲が流れた。

~~♪♪

「優子ー、メール。」
「うん。」

私はすぐにケータイを開きメールをチェックした。
雅紀からのメールだった。

「誰から?」

リュウが私の手元を覗き込む。

「まさ・・・き?」

リュウは「誰?」と聞きたげな顔で私を見る。

メールの内容は

【最近、一緒に帰ってないね。どうしたの?明日朝向かえに行くね^^】

だった。

私はすぐ返信をした。

【分かった!ごめんね、最近忙しくて・・・】

本当は忙しくなんかない。
リュウがいるから雅紀をおいて、早く帰って来ているのだ。

その後、しばらく雅紀から返信は来なかった。

リュウが言った。

「へー、彼氏?」

リュウは笑ってはいたが、なぜだか目は笑っていなかった。

「う、うん。」
「彼氏いるんだ。」

リュウは私の目をまっすぐ見た。
私は思わず目をそらす。だって・・・、吸い込まれそうだから・・・。

「どんな奴?」
「どんな・・って、うーん、優しいよ。」

雅紀は優しい。それは本当のことだ。

「ソイツのことさ、本当に好き?」
「え?」

リュウは妙に「本当に」を強調して言った。

どうなんだろう・・・
雅紀と一緒にいるのは楽しいし・・・
嫌いになる理由なんてない・・・。

ってことは好きってことでいいのかな?

「好き・・・だよ?」
「『本当に』?」
「う、うん。」
「そっか。」

リュウは最後適当に返事すると

「テレビつけて」

と決まりのように言った。
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