王子の魂 ―ワタシの想い―
次の日、朝、雅紀は約束どおり私を迎えに来た。

2階の窓から雅紀が迎えに来たことを確認すると私は家を出た。

「おはよ。」
「よ!」

私と雅紀は挨拶を交わすと学校に向かって歩き出す。
2階の窓からこちらを見るリュウが少しだけ見えた。

雅紀が話し出す。

「そういえば、優子が好きな・・・なんだっけ?えーと、ク、クラ・・・」
「『CROWN』?」
「そうそう、そのメンバーが意識不明らしいな。」
「うん・・・」

そう、それでリュウは私の部屋に来たのだ。

「たいへんだよな。これからどうやって2人でやっていくんだろ?」
「え?」
「だって、リュウって奴だっけ?けっこう人気あったんでしょ?残された2人たいへんだよな。」

私は雅紀の言葉にカチンと来た。

リュウはまだ死んでない。この世に―私の部屋にいる。
「CROWN」は2人だけじゃない、3人だ。

「2人じゃないもん。リュウは生きてるし。」

私の暗い表情に雅紀は気づいたのか、慌ててこう言った。

「そうだよな・・・!まだ死んだわけじゃないしな。」


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