王子の魂 ―ワタシの想い―
家を出て、私は驚いた。
家の前に雅紀が立っていたのだ。
忘れたくても忘れられない、唇の感触を思い出す。
あの日のことはリュウ以外誰にも話していない。
琴美にも、菜子にも・・・。
リュウにはあの後、泣きながら話した。
リュウは黙って「うん、うん」と頷きながら聞いてくれた。
そして「大丈夫」と言いながら、私の頭を撫でてくれた。
あの日は、思い出したくない日でもあったが、私がリュウのことを「本当に」好きになってしまった、ある意味記念日でもあった。
「あのさ・・・」
雅紀が俯いていた顔を上げる。
「この前はごめん・・・。許してもらえないって分かってるから・・・。」
雅紀は再びコンクリートの地面に目を落とす。
「・・・。」
私は何も言えなかった。
正直、高校2年生にもなってキスごときで彼氏を許してあげられないなんて、恥ずかしかった。みんなキスなんて当たり前のようにしているのに・・・。
でも、やはり、心のどこかでは怒りが残っている。
「・・・。」
私は雅紀を無視して早い足取りで学校に向かった。
雅紀は黙って私のあとを着いてきた。
雅紀に後ろを歩かれるなんて変な感じがした。
家の前に雅紀が立っていたのだ。
忘れたくても忘れられない、唇の感触を思い出す。
あの日のことはリュウ以外誰にも話していない。
琴美にも、菜子にも・・・。
リュウにはあの後、泣きながら話した。
リュウは黙って「うん、うん」と頷きながら聞いてくれた。
そして「大丈夫」と言いながら、私の頭を撫でてくれた。
あの日は、思い出したくない日でもあったが、私がリュウのことを「本当に」好きになってしまった、ある意味記念日でもあった。
「あのさ・・・」
雅紀が俯いていた顔を上げる。
「この前はごめん・・・。許してもらえないって分かってるから・・・。」
雅紀は再びコンクリートの地面に目を落とす。
「・・・。」
私は何も言えなかった。
正直、高校2年生にもなってキスごときで彼氏を許してあげられないなんて、恥ずかしかった。みんなキスなんて当たり前のようにしているのに・・・。
でも、やはり、心のどこかでは怒りが残っている。
「・・・。」
私は雅紀を無視して早い足取りで学校に向かった。
雅紀は黙って私のあとを着いてきた。
雅紀に後ろを歩かれるなんて変な感じがした。