王子の魂 ―ワタシの想い―
「あ!レンとジュン!」
琴美が声をあげたので、私は無意識にそらしてしまった視線を画面に戻した。
気づくと画面の中はVTRに変わっていて、リュウが入院しているであろう病院が映っていた。
先ほどのアナウンサーとは違う女性のアナウンサーが話し出した。
<<こちらが龍さんが入院している○○病院です。すでに多くのファンが病院前に集まっています>>
画面の中には多くの女性ファンが群がっていた。リュウはどうのこうのと怒鳴っている人もいれば、泣いている人もたくさんいた。
私だって今すぐ駆けつけたい。でも私はまだ高校生だし、地方に住んでいるからそう簡単には行けない。
<<先ほど駆けつけたメンバーの漣さんと潤也さんにお話を聞いてみたいと思います>>
手前に立っていたレンとジュンがアップになる。
レンが真剣な表情で話す。
<<「俺も何が起きたのか分かりません。ただリュウが目を覚ますことを願うことしかできません・・・」>>
レンは唇を噛んでいた。
隣のジュンはただうつむいてレンの話に頷いていた。
一通り話が終わると画面はスタジオに戻り、アナウンサーが
<<新しい情報が入り次第お伝えします。次のニュースです・・・>>
と言ってリュウのニュースは終わった。
琴美と菜子は顔を見合わせた。
隣のクラスから悲鳴が聞こえた。多分隣のクラスにも「CROWN」のファンがいて、このニュースを知った人がいるのだろう。
私だって・・・
叫びたい
泣きたい
でも涙はでなかった。
放心状態になった私は午後の授業も友達の話も一言も耳に入って来なかった。
琴美が声をあげたので、私は無意識にそらしてしまった視線を画面に戻した。
気づくと画面の中はVTRに変わっていて、リュウが入院しているであろう病院が映っていた。
先ほどのアナウンサーとは違う女性のアナウンサーが話し出した。
<<こちらが龍さんが入院している○○病院です。すでに多くのファンが病院前に集まっています>>
画面の中には多くの女性ファンが群がっていた。リュウはどうのこうのと怒鳴っている人もいれば、泣いている人もたくさんいた。
私だって今すぐ駆けつけたい。でも私はまだ高校生だし、地方に住んでいるからそう簡単には行けない。
<<先ほど駆けつけたメンバーの漣さんと潤也さんにお話を聞いてみたいと思います>>
手前に立っていたレンとジュンがアップになる。
レンが真剣な表情で話す。
<<「俺も何が起きたのか分かりません。ただリュウが目を覚ますことを願うことしかできません・・・」>>
レンは唇を噛んでいた。
隣のジュンはただうつむいてレンの話に頷いていた。
一通り話が終わると画面はスタジオに戻り、アナウンサーが
<<新しい情報が入り次第お伝えします。次のニュースです・・・>>
と言ってリュウのニュースは終わった。
琴美と菜子は顔を見合わせた。
隣のクラスから悲鳴が聞こえた。多分隣のクラスにも「CROWN」のファンがいて、このニュースを知った人がいるのだろう。
私だって・・・
叫びたい
泣きたい
でも涙はでなかった。
放心状態になった私は午後の授業も友達の話も一言も耳に入って来なかった。