無口男子と真面目女子の秘密!?

私はすぐ席を立ち、教室から出た。

真千ちゃんが私を呼んだ気がしたけど、無視した。

心の中で…何度も謝りながら。

階段を上る。
溢れだした涙を拭いながら。

向かう先は…屋上。
涙を、乾かしてくれそうだから。

鍵がかかってない事も知っている。
翔さんから…教わった。


扉を開けると、思いっきり風が吹いた。

「…綺麗な空」

そう、呟いて空をみた。

真っ青な混じりけのない空。
小さい頃は何度も言った口癖を思い出す。

「空に…なりたい」

混じりけのない、純粋な色になりたかった。
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