無口男子と真面目女子の秘密!?

今日の見舞いは、俺だけ。

病室に、少しだけ暖かくなった風と満開になった綺麗な桜が入ってきた。


でも、色がない。


胡桃がいないから、色が足りないんだ。

頬に、涙が伝った。


「…起きて…くれよっ」


何度、この言葉を言ってきただろうか。


でも伝わらない。


その時、
風でふわっとカーテンが踊った。

少しだけ胡桃の姿が隠れ、美しい銀髪が揺れた。

「…え?」

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