無口男子と真面目女子の秘密!?

目覚めたら

───
──


誰かの記憶だったのか。

はたまた、ただの空想なのか。

とにかく、とても楽しい夢を見ていた気がする。

父と母、兄もいた気がする。

私と思われる少女が元気に走り回るそこは、お城を思わせる白い豪邸の庭だった。

少しだけ桜の香りがする。

すると突然、強い風が吹いた。少しの間だけ吹いた風。

強風の中で閉じていた目を開く。


とそこにはさっきまでの庭はなく、淡白な白い部屋だった。

つんと鼻をつく匂い。

病室、だろうか。
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