無口男子と真面目女子の秘密!?
「へー…そうなんだー…。
へー…、へ…へぇっ!?胡桃澤財閥のご令嬢!?」
どうやら戻ってきたようだ。
髪を振り乱して焦っている。
私の事なのに…。
「で、えっ?胡桃は、胡桃澤財閥のご令嬢なの?」
「そうみたい」
真千ちゃんは手をあごにあて、何やらブツブツと呟きながら何かを考えているようだ。
時々、「あり得ない」とか、「名字が…」とか色々呟いている事から、現状を理解しようと必死らしい。
少し待ってあげようか。
あー…空が綺麗だ…
「ちょちょっ!
本当に胡桃澤財閥なの!?」
「だからそうだってばー」
あー…空が綺麗だなーって言いたかったのに遮られてしまった。
せっかく待ってあげようと思っていたのに、イラつく。