無口男子と真面目女子の秘密!?

「それでも、いいから」

私は咄嗟に言った。

理由はない。
けれど、もしかしたら翔さんの隣に堂々と立てる人間になりたいのかもしれない。

密かに憧れているお姫様生活をしたいのかもしれない。

本当のお父様に会いたいのかもしれない。

真千ちゃんとの約束を破りたくないのかもしれない。


いくらでも予想はできる。
覚悟は、出来ているつもりだ。

私は地面にある視線を上げ、私を見つめる翔さんと視線を合わせる。

数秒か、数十秒か。
もっと多いか、もっと少ないか。

目を逸らさない、それが私の覚悟の示しかた。
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