無口男子と真面目女子の秘密!?

「なんでストップウォッチなんですか?」

「……」

小さな間があく。

私の頭の中では、お坊さんが木魚をポクポクと叩いていた。

その間も数字は動き続け、5:00:00を過ぎた辺りで、

「ああっ!そっちか」

と言う蘭輝さんの声が聞こえた。
またもや私の頭の中では、メトロノームがチーンと間抜けな音を出した。

ポクポクポクー…チーン。

蘭輝さんだけではなく、私まで頭がおかしくなっちゃったのかも…。

「これ?これはねー、うちの業者がお社長様へ洋服を届けるまでに何分掛かるか計ってるのよー」

職務乱用だ。

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