子猫玩具屋
すると溜息が聞えてきて
私の目の前に男性が立った。

下を向いていた顔を
無理やり上に上げさせられた


「お前、今の状況が判ってないのか?」

「…知らない、でも私、買われたの?」


その言葉に男性は少し怪しい笑顔を浮かばせた。

その表情に私は少し眉を寄せる。


「よく判ってるじゃねぇか」


そう一言呟くと
私の頭の上にポンッと手を置いた。


何だか雑で痛かった。

髪をめちゃくちゃにされて、ボサボサになったけど


…なんだろう

この人の手は


暖かい。
< 12 / 21 >

この作品をシェア

pagetop