男の子、怖いです
「………ない。ない!」
カバンのどこを見ても、見つからない。
わたしが探しているのは、家の鍵。
忘れてきちゃったんだ…。
とりあえずお母さんにメールすると、あと30分ぐらいで帰るから、と返ってきた。
秋の夕方6時は、結構暗い。
門灯がついていない玄関はなんだか怖くて、わたしは隣の公園まで移動することにした。
公園は灯りがついているから、まあまあ明るい。
怖いことは怖いんだけど…。
ブーブーブー
手に持っている携帯が震えだして、わたしは肩をびくっとふるわせながら携帯を開いた。
「瑠衣くんだ……」
今何してんのー?
俺は帰宅途中
そう書かれたメールに、返事を書こうとしたその時だった。