男の子、怖いです
「大丈夫だから、ただの文化祭でしょうが」
「で、でも男の子いっぱい…」
奈央と小雪に連れられて来たのは、近くの高校の文化祭。
いや、ただの近くの高校じゃなくて……。
「男子高なんて聞いてない!」
涙目のわたしに奈央と小雪はいたずらが成功した子どものように笑った。
「男子高じゃない、とも言ってないわよ?」
「うぅぅ……」
いますよいます、髪の毛がツンツンして前髪が長くてパンツが見えそうなぐらいズボン下げてる男の子達が!
あああああ…、怖いよ怖い……。
「あっ、わしくんだ♪」
メガネをかけた長身の男の子を見て、奈央が目を輝かせた。
「アタシの、彼氏♪」
「ええええええええ!?」
彼氏がいるなんて聞いてないのに……(泣)
わしくん、は見た目はチャラチャラしてない。
この高校の男の子達に比べれば……
「は、はは初めまして、みっみ美白と申します」
挨拶くらい……どうってこと………な、ないんだから……。
「美白、頑張ったね!」
小雪の背中に隠れて、わたしはほっと息をついた。
友達の彼氏にさえも十分に挨拶できない自分が情けない……。
「初めまして、奈央の彼氏の鷲宮です!よろしくね♪」
鷲宮くんだからわしくんね……。
なるほど……。
「じゃあ、アタシはわしくんといっしょにいるから♪小雪と美白は2人で回っててね♪」
奈央はわしくんと腕を組んでどこかへ行ってしまった。
「ねえ小雪、奈央に彼氏がいたなんて知ってた……?」
「ううん、知らなかった!」
初対面であれだけ堂々としてられるなんて、小雪ってすごい…!
って、それが普通なんだろうけど。