男の子、怖いです
「ねえねえ、君♪」
男の子の声が聞こえて、わたしと小雪は顔をあげた。
そこには、茶色い髪をしてピアスがジャラジャラついてる男の子が。
こここここここここここここここここここここここここここここここわいいいい!
わたしは小雪に熱心に話しかけている男の子からじりじりと離れた。
あーゆうチャラチャラした男の子は、苦手……。
5メートルくらい離れたところで、わたしは止まった。
このくらい離れてれば、拒否反応も出ない……はず!
ほっとして息を吐いたところで、後ろから肩を叩かれた。
奈央かなー?
ニコニコと振り向いたところで。
「…………」
目の前にあったのは、
「コンニチハ♪」
大きい目をした、マンガから出てきたような男の子でした。
「君、どこ高?何年生?」
ニコニコと笑う顔は、マンガのキャラそのもの。
サラサラなチョコレート色の髪の毛は外ハネで、ピアスまで肯定してしまいそうな爽やかさ。
この人の世界に引き込まれてしまうような、不思議な魅力があった。
「あ、俺はね、高2でルイってゆうんだけどー」
声まで声優さんみたい……。
ぼーっとしていると、突然この人が現実の男の子なことを思い出した。
二次元の人じゃないんだったよ!
「わっわわわたし、しっ失礼します!」
そう言って、小雪のところに逃げようと思ったのに……
「まだ用終わってないんだけど?」
爽やかな声と共に、握られたのは、わたしの腕。
触られた……!
見ず知らずの男の子に……!
「ちょ、ははは離してください!」
もちろん腕からは鳥肌が出て、離せ、っていう最大級の拒否反応を示してる。
それに気づいていないのか、男の子は腕を離そうとしない。
「ケータイ、出してくれたら離してあげる♪」