もしもわたしが許されるのならば
「とうとう来ちゃった……」

調君への想いを再確認した翌週の日曜。

わたしが今いるのは、木通家の門前。

珍しい苗字だからすぐに分かった。

ここに来たのは調君に会うため。

会ってわたしの想いの丈を彼にぶつけるため。

『どうせなら、あのガキンチョに宣戦布告してきちゃいなさい』

そういう起希ちゃんの進言の下ここまで来たのはいいものの、チャイムを鳴らす勇気が持てず、立ち尽くしたままでいる。

これじゃ、まるで不審者だよ。

「結惟?」

ふと後ろから聞こえる声。

聞き間違えるはずがない。

その声の主は他でもない調君。

「とりあえず中に入る?」

「う、うん。お邪魔します……」

調君に促され、家の中へと入る。

「他の人達はいないの?」

「義父さんと義母さんは結婚記念日でデート中。氷雨は友達とカラオケ。たぶん夕方には帰ってくると思うよ」

それまで2人きり……

わたしの心臓が早鐘を鳴らす。

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